141:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:46:24.33 ID:tRJaplXx0
睨んでやった妖精は、しかしまったく態度を崩さなかった。
「《何もするな》は千夜には言ってないよ」
のんびりと言うか何なのか、鷹揚と言ってやってもいい、というのが千夜の意見だったが、とにかくマイペースに鎮座する杏の、その髪が揺れて甘い香りが鼻をうつ。
「確かに、私が言われたのではありませんでしたよ」
頷き返す。唇を締めた。
「でしょ?」
「ええ。行ってきます」
「うんうん、頑張れ若者。杏はここで…… 溶けてるからね」
「若者? 同い年でしょう」
――Chapter6 "A Thousand Miles"
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