137:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:43:21.34 ID:tRJaplXx0
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
――やるべきことを、済ませてからな!
千夜はプロデューサー室を飛び出すと、十六時五分前にたまたま見かけた、レッスン室前の廊下でスマートフォンを握りしめ、うろうろとまごついていた文香の尻を、慣用句の意味で叩き、歩武粛々と正門を指した。
「千夜」
声が掛かった。
中庭のベンチに双葉杏が居た。スマートフォンを持ったまま、千夜に手を挙げている。
「また稽古?」
「ええ、まあ。あいつが探していましたよ」
「だからここにいんの。あと四十分探してくれたら出てく」
「成る程」
「都ちゃんさ、気にしなくていいよ」
「はい?」
「ううん、気にするだけソンかな。あの子は実際のトコ探偵でさ、いつだっておかしなことを見つけて、元気になれるんだ」
「ふうん」
「そーそー」
「何故、都さんの名前が貴女の口から出るのです」
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