118:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:28:29.99 ID:tRJaplXx0
そうして、彼は立ち上がった。机を回り込んでから、その上にある二つの小さな箱を示す。
「これ、千夜がくれたんだって?」
首肯して、
「あんな下らないことで私に貸しを作ったと思われては面倒なので。もうひとつは文香さんからで…… 心からの贈り物、というやつです」
「そっか。千夜、気にしてくれてたんだな。ありがとうな」
眉をひそめて、
「……気にして、だと? 話を聞いていましたか?」
「ああ、聞いたよ。文香にもお礼言わないとな」
「ふん」
息を吐く。彼は笑って、
「見ていいか?」とすぐ側の方を手に取る。「どっちが千夜の?」
「それですよ」
「おお」
箱の中から、ステンレス製の黒いマグカップが姿を現した。
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