33:名無しNIPPER[saga]
2020/12/05(土) 13:37:18.57 ID:Zw4rWQmf0
ラジエル「えっと、一つ、聞いてくださいますか」
男「もちろんです」、
ラジエル「天使にとって裸であるということは、大きな意味があるんです。
自身が純潔、純白であることの証であり、神によって創られた「完全」の証明です。
それは人が人である理由を直立二足歩行でありことであったり、鳥が翼を持つことと同義なのです。」
男「ふむ、それでは、わたしたちと旅をするのは難しいですね
ラジエル「ひっ」
男「それは、大変お恥ずかしいのですが、わたし個人の種族としての欲求のせいなのです」
ルシファー「私の見立てでは神族と人の中間の存在だろう、あなたは」
男「その神族というのは、分かりませんが、わたしの人としての欲求です。つまり、婉曲的な言い方をするなら、チームとしての風紀が乱れる恐れがあるということです」
ルシファーは、困惑するラジエルに背後から近づき、その薄桃色の唇で、ラジエルの耳たぶを嬲る。
ラジエル「ぁ」
ルシファー「ねえ純潔のラジエル、神族と結ばれるなど、恐れ多いことだよ。
でも君がそのように裸体を晒してまでその男を誘惑するというなら、私は止めたりしないよ。
接吻を交わそうと、子を成そうと
私は寝つきが良いからめったなことでは起きないからね、だいじょうぶだ」
ルシファーはラジエルの耳元でそうささやくと、ラジエルは頬とうなじがみるみる朱色に染まっていく。
ルシファーと小声を会話を交わした後にやがて目元にうっすらと涙を滲ませて、蚊の鳴くような声をだす。
ラジエル「男さん」
男「はい」
ラジエル「少しの間、向こうを向いてください」
ラジエルは白い服を着た。フード付きのコートと長袖のセーターに、ぶかぶかのワイドパンツと、重装備である。
フードを深く被り、ぎごちない足取りで、男の前に歩いてくる。
ラジエル「どうですか」
男「ばっちりです。もう、なにも不埒なことを考える余地はありません。敬虔な聖女そのものです」
ラジエルは安堵の表情を浮かべた。そして、ルシファーとハイタッチをして、上機嫌である。
男「うん、この調子で進んでいきましょう。ところでルシファー」
ルシファー「なに」
男「ラジエルのあのファッションは君の趣味ですか」
ルシファー「そう。私はもう着れないから、着てほしかったの」
男「町で服を買いましょう。今のあなたに似合う服を必ず見つけます」
ルシファー「そこに右だけの服はあるの」
男は、無言で空を見上げた。
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