40: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2020/11/29(日) 18:30:54.27 ID:F2WpVU4e0
やちよ「アリナはあの子たちに任せるとして」
やちよ「それで・・・。みたま、聞きたいんだけど」
みたま「ん〜?」
やちよ「アリナのソウルジェムに深く触れて、記憶を見たんでしょ。アリナは本当に記憶喪失だった?」
みたま「そうねえ・・・。自分の願いとか、身近な人との関係とか、普通の魔法少女ったら当然持っているはずの記憶は、確かに無かったわね」
やちよ「そう・・・。記憶喪失は本当なのね」
みたま「うん。アリナには入院するより前の記憶はほとんどない。ただ、かりんちゃんと思われる人との交友の記憶だけはおぼろげながらも残っていたわね」
やちよ「御園さんとの記憶が? どうして?」
みたま「記憶喪失と言っても、赤ちゃんのように全ての記憶を失ってるわけじゃないのよ。交友関係は忘れているけど、歩き方とか言葉とか美術の知識は残っている」
みたま「かりんちゃんの事を覚えているのは、今のアリナと同じように、以前からかりんちゃんのことが本当に好きで特別な存在だったからなのか、あるいは・・・」
みふゆ「美術の知識を失っていなかったのと同じように、アリナにとってかりんさんは、人というより作品の一部と捉えているのでしょうか」
みたま「そうそう」
みふゆ「アリナは、病院でかりんさんと再会したときから かりんさん のことを “プアアート” と呼んでいました。初めは意味が分かりませんでしたが、文字通り、かりんさんはアリナにとって自身の作品の一部なのかもしれませんね」
やちよ「うーん・・・。美術の作品のように御園さんを作り上げていたってこと? アリナが御園さんを育てていたわけでもないのに、どうしてそうなるのかしら?」
みたま「育てていたのよ。絵を教えるという形で」
やちよ「あっ・・・なるほど、そういう・・・」
みふゆ「アリナはああいう性格ですから、それまで親しい人はいなかったでしょう。誰かにしっかりと絵を教えるようなこともしなかったでしょう。美術部のはみ出し者になっていたくらいですから」
みふゆ「だけど、そんなアリナでもかりんさんは執拗に絵を教えてもらおうとしていました。アリナは嫌々ながらもそれに応えて、それがいつの間にか美術作品を作り上げる感覚になってしまったのかもしれません」
みたま「それで、かりんちゃんが思うように絵が上達しないから、プアになっちゃったのねえ」
みふゆ「はい、おそらくは」
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