3: ◆XkFHc6ejAk[saga]
2020/11/22(日) 20:50:27.91 ID:7tIffwGI0
男(ある日、ついに助けてくれる人間と出会う事が出来た)
紳士「ほう、それは大変だ。どれ、私が助けてあげましょう」
男「頼む……一気に引っこ抜いてくれ……!」
紳士「了解しました。では」
男「ぎゃあああああっ!! はっ……はっ……」
紳士「うむ、抜けた。良かったですな」
男「や、やった……抜けた……!」
男(剣は、思っていたよりもあっさりと抜けた)
紳士「む? なっ!」
ギュン!!
男「いぎっ⁉ な、何でっ……!」
男(抜けたと思った瞬間、その剣は再び俺の胸に突き刺さってしまった)
男「がっ……くそ……頼む、もう一度……」
紳士「やはり……その剣は私が抜いても無駄なようだ」
男「ま、待ってくれ!」
紳士「貴方が自分で何とかしないと、きっとその剣は抜けないのでしょう」
男(彼はそう言うと、立ち去ってしまった)
男(中途半端な希望は、より心を深く深く削り取っていく)
男(俺が何をしたって言うんだ、何も悪い事はしていないのに)
男(痛みと絶望で、前が見えない)
男「ウグッ……畜生……!」ボロボロ
男(もう何をしても無駄なんだ。俺は一生このままなんだ)
男(どうしてこんな物があるんだろう)
男(俺はただ、泣く事しか出来なかった)
男(誰かが俺の隣を去っていった気がする)
男(俺の姿に驚いたようだが、助けてくれる事は無かった)
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