佐々木「君は優しいね」キョン「炭治郎には敵わないさ」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/11/01(日) 20:09:59.28 ID:eKWbNwFOO
「さあ、帰るぞ」

ようやく泣き止んでしゃっくりをしている妹の手を引いて帰宅を促すも何故か動かない。

「どうしたんだ?」
「ううっ……キョンくん、あのね?」
「なんだ?」
「おしっこ」

ああ、なるほど。妹は催しているらしい。
急いで映画館に来たから上映前にトイレに行くのを忘れたのだ。ならば仕方あるまい。

「じゃあ、早くトイレに……って」

問題を解決するべく館内のトイレに目を向けるとそこには長蛇の列が出来ており、到底、間に合いそうもなかった。満員御礼である。

「ううっ……キョンくん」
「禰豆子、頑張れ。兄ちゃんが必ず、トイレを見つけてやるから! 頑張れ! 頑張れ!」

俺はすぐさま妹をおんぶして映画館を出た。
禰豆子を背負い雪山を下山する炭治郎のように、まだ辛うじて持ち堪えている妹を励ましつつ、どこかトイレがないかと必死に探す。

「キョン! あそこにコンビニがあるよ!」

斥候を買って出てくれた佐々木が目当てのトイレを発見した。さすがは柱の嗣子である。
俺も全集中・常中で足を動かす。動け動け。

「キョンくん……ごめんね……」

ああ、そんな。禰豆子。間に合わなかった。

爆血ッ!!

ちょろんっ!

今ここで漏らすんだ! と言わんばかりの勢いで背中を濡らす妹の尿はたしかに温かくて。
その温もりは禰豆子が生きていると実感させるもので、それが俺は堪らなく嬉しかった。

「フハッ!」

よもやよもや!
"柱"として不甲斐なし!
穴があったら、入りたい!!


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