【オリジナル】『トリック・or・トリートめんつ!』
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:08:51.61 ID:cSMt8Cht0

 ハロウィン。

 ハロウィンといえば、個人的なイメージで大変恐縮ではあるけど、子供がお菓子をくれなきゃ悪戯するぞと大人を脅して回る……というよりも、若者が東京で乱痴気騒ぎを起こすイメージが大きい。

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:10:32.65 ID:cSMt8Cht0


   ◇


以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:11:50.64 ID:cSMt8Cht0

 そいつとは、一つ約束を交わしてあった。今から遡ること一週間前のことだ。

「アプリでハロウィン限定ガチャが増えてきたなー」なんて話題から、

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:12:49.94 ID:cSMt8Cht0

 この遊びは、アバターの名前も伏せて、自分がまとうハロウィンの仮装をヒントとして与えて、先に相手を見つけ出して合言葉を話しかけた方が勝ち……というルールで行われる。

 合言葉は「トリック・or・トリートめんつ!」。非常にふざけた字面だが、これなら勘違いで知らない人に話しかけても笑って返してもらえるだろう――なんて判断だ。

以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:13:58.40 ID:cSMt8Cht0


   ◇


以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:14:52.40 ID:cSMt8Cht0

 休日、時刻は昼下がり。店内にはそこそこ人がいるようだ。

 入り口から見えるラックの前で雑誌を吟味する同い年くらいの小太りの男がいて、その後ろをドリンクと漫画を持った若い男が通っていく。二つ並びになっている受付カウンターに視線を移せば、黒縁の地味な眼鏡をかけた女の子がこれから入店の手続きをしようとしているところだった。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:15:52.88 ID:cSMt8Cht0

 季節は秋の終わりと冬の初めの狭間。身を切る風はもうとっくに冷たい。ティーカップを手にして、ウーロン茶のパックを入れて、ホットドリンクの筐体のお湯ボタンを押しこむ。ヴィーン、なんて大仰な音を立てながら、お湯がカップへゆっくり注がれていく。

 手持ち無沙汰になり、辺りをなんとなく見回す。

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:17:20.16 ID:cSMt8Cht0

 そうこうしているうちにカップにお湯が満たされる。火傷しないよう慎重に取っ手を持って、俺も自分のブースへと向かう。

 途中、本棚の陰から出てきた人とぶつかりかけた。雑誌を吟味していた小太りの男だった。すいません、と軽く頭を下げると、いやこちらこそ、と小さく手を振られた。

以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:18:12.68 ID:cSMt8Cht0

 ポケットからスマホを取り出して、呟きアプリを起動させる。それと同時に通知を受け取った。あいつからのメッセージだった。

『ウチのパソコンおんぼろだからネカフェに来たぜぇ!』

以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:19:48.38 ID:cSMt8Cht0

 この仮想空間は六個のエリアから初期のログインエリアを選択できた。お互いに被らないよう三個のエリアを予め選択して、そのどれかに入ることになっていた。

 俺が選んだのはアオモリ、ミヤギ、イワテ。その中からミヤギにログインした。

以下略 AAS



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