【オリジナル】『トリック・or・トリートめんつ!』
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/31(土) 11:15:52.88 ID:cSMt8Cht0

 季節は秋の終わりと冬の初めの狭間。身を切る風はもうとっくに冷たい。ティーカップを手にして、ウーロン茶のパックを入れて、ホットドリンクの筐体のお湯ボタンを押しこむ。ヴィーン、なんて大仰な音を立てながら、お湯がカップへゆっくり注がれていく。

 手持ち無沙汰になり、辺りをなんとなく見回す。

 先ほど隣で受付をしていた地味な女の子もドリンクバーに来ていた。一瞬だけ目が合った
彼女は、グラスにアイスティーを注いですぐにブースへと向かっていった。

 ドリンクバーコーナーから左手に見えるビリヤードブースでは、大学生くらいの人たちがキューを持って笑っていた。その手前の通路を右に折れるとトイレに繋がっていて、そこから眠そうな顔をした同年代くらいの細身の男が出てくる。彼は伸びをしながらブースの方へと歩いていった。

 世間様はハロウィンだっていうのに、彼らは俺と同じく漫画喫茶でなんとなく時間を潰すんだ。そう思うと、この空間にいる人たちに妙ちくりんな親近感を覚えてしまった。



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