70: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:37:28.70 ID:V6x1Fopt0
大きく、長いため息をつくと頭を抱えた。
2人の出す空気にあたしは戸惑っていた。
きっと春香さんだったらあの場面でも
71: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:38:34.40 ID:V6x1Fopt0
奈緒さんは青かった顔をだんだんと赤く、
燃えるように真っ赤な顔をあたしに向けて言った。
72: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:39:47.29 ID:V6x1Fopt0
「何してんねん! そんなん譲る必要一個もあらへんねん!!
遊びでやってんちゃうぞ!」
73: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:40:23.92 ID:V6x1Fopt0
奈緒さんが見せてくれたスマホの画面には、
あたしが譲ったアイドルがいた。
74: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:41:21.26 ID:V6x1Fopt0
「私が受けた別のオーディションでもおったわ!
ワンワン泣いて叫んで、近づいたやつに片っ端から
突っかかって言いたい放題言って、
75: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:42:11.02 ID:V6x1Fopt0
「……あたしにはまだチャンスがあるからって。
今回は譲ってやってもいいってそう思ったのか?
あるわけねえだろ!! そんな奴に!!
76: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:43:14.83 ID:V6x1Fopt0
「おい、いいか? どんな理由にしろ。
体調不良ぐらいだったら多少待ってくれるんだよ。
お待たせして申し訳ございませんで頭下げりゃ済むんだよ……。
でもドタキャンして帰ってきちまったら話がちげえよ。
77: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:44:22.37 ID:V6x1Fopt0
「お前は春香じゃねえだろうが!
78: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:45:29.74 ID:V6x1Fopt0
「局のスタッフたちだけじゃねえ。
うちの連中にもこのことはいずれ知れ渡る。
そうなればお前は急に番組をすっぽかした危険人物扱いだ。
79: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:46:35.75 ID:V6x1Fopt0
どうして、気がつかなかったのだろう。
どうして、あの時……。
どうして、プロデューサーは……。
80: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 18:47:28.79 ID:V6x1Fopt0
──数日後、21時頃の遅いご飯の時間だった。
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