100: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 19:04:59.09 ID:V6x1Fopt0
でも、爺ちゃんの方がまだましだった。
爺ちゃんは、なんというか。
まだ会話というか、意識のベクトルが
あたしに向いているのが感じられる。
101: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 19:05:33.12 ID:V6x1Fopt0
「……そうか。どうしてなんだ」
「……そうか。残念だよ」
102: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 19:06:29.65 ID:V6x1Fopt0
「携帯は繋がるように一応してるから」
「ああ」
103: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 19:07:19.09 ID:V6x1Fopt0
「ひなた、今、プリンターで出した。
紙、そういう書類だから書いて提出しておいてくれ」
104: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 19:07:47.42 ID:V6x1Fopt0
あたしはそのまま、
誰に、何を言うでもなく、事務所を出ていった。
105: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 19:08:22.86 ID:V6x1Fopt0
それからあたしは、
両親を飛ばして、婆ちゃんと爺ちゃんに連絡した。
106: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 19:09:06.92 ID:V6x1Fopt0
東京を出る前日の夜。
あたしは、何もしないでベッドの上に居た。
自分をまるごと抱えるように膝を抱いて、
107: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 19:10:56.00 ID:V6x1Fopt0
そうやって、無の空間に
自分を落とし込んで一晩を過ごした。
108: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 19:11:30.69 ID:V6x1Fopt0
爺ちゃんは最初、とても喜んでくれた。
「東京はどうだ?」とか
「松平健には会ったか?」とか
109: ◆BAS9sRqc3g[sage saga]
2020/10/09(金) 19:12:34.27 ID:V6x1Fopt0
婆ちゃんは何も言わなかった。
最初に連絡をした時と同じように説明したので
分かったような分かっていないような感じだった。
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