高木社長「ねぇ、キミぃ…」
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67:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:07:51.89 ID:V4s4JV6AO
「それならば送って行こう」

「えぇ…そんな、悪いですよ」

「何構わないよ。ちょうど暇していたところでね」
以下略 AAS



68:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:08:41.64 ID:V4s4JV6AO
「それでそこのパン屋さんが少しおまけしてくれたんです」

「ほぅ、それは良かったね」

 車内では他愛のない話が弾む。本来ならば同年代の女性…うちで言えば律子君くらいと話をしたいところだろうが、そんなことは微塵も出さずにこんな中年の相手をしてくれている。全くできた子だ。


69:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:09:29.27 ID:V4s4JV6AO
「ふぅ…」

「社長さん?どうかしましたか?」

「いや、少し考えごとがあってね」
以下略 AAS



70:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:10:35.50 ID:V4s4JV6AO
「あら?私もしかしてクビになるんですか?」

 クスクスと笑いながら答える彼女に揶揄われるのは嫌な気はしない。

「いや、君程の逸材がこんな弱小事務所で燻っているのは申し訳なくてね…それに君の夢は『運命の人』を見つけることなんだろう?」
以下略 AAS



71:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:11:27.70 ID:V4s4JV6AO
「うーん…そうですねぇ、でもね、社長さん。私、ここに入る前にバイトをクビになってるんです」

「ん?あ、あぁ…」

「運転免許も二年かけても取れませんでした。手早く、器用にするっていうのが苦手なんです」
以下略 AAS



72:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:12:12.85 ID:V4s4JV6AO
「普通の事務所じゃあ、タレントの送り迎えを社長が自らなんてしませんよ。そんな社長がいる事務所だから、765プロは温かいんです」

「…」

 私にとってはこんなこと普通のことだ。社長にとって、社員やアイドルは宝なのだから。それを上手く伝える方法を考えているうちに彼女は続ける。


73:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:12:57.75 ID:V4s4JV6AO
「知ってますか?社長、私ね、今日みたいに間違えて事務所に来ることはあっても、事務所に行こうとして間違えることはないんですよ?」

「…ほう、それはまたどうしてかな?」

「私にもわかりません。でもね、もしかしたら、それは私があの場所に惹かれてるからかもしれない…って思うんです」
以下略 AAS



74:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:13:46.97 ID:V4s4JV6AO
「あら、もう着いちゃいましたね」

「お、ほ、本当だね」

 バックミラー越しに三浦君に見惚れているうちにどうやら車は彼女の家の前まで来ていたようだ。(事故が起きなくて本当に良かった)
以下略 AAS



75:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:14:35.25 ID:V4s4JV6AO
「それじゃあ社長。私はここで…」

「うむ、しっかり休んでくれたまえ」

「ありがとうございました…そして、ありがとうございます」
以下略 AAS



76:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:15:31.74 ID:V4s4JV6AO
08

「うぎゃぁぁぁあ!?」

「ん?あれは?」
以下略 AAS



77:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:16:16.46 ID:V4s4JV6AO
「どうしたんだね?我那覇君」

「社長!?どうしてここに…ってそんな場合じゃないんだ!」

 いつも『完璧』『なんくるない』と自信満々の彼女だが、実はこんな風に取り乱すことは少なくない。こういう時はひとまず落ち着かせることが先決だ。


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