102:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:37:46.91 ID:V4s4JV6AO
「すいません、高木殿」
「ぶふぉ!?」
そんな懐かしい感覚も目の前に座った四条君に吹き飛ばされた。
103:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:38:30.50 ID:V4s4JV6AO
「いえ、撮影の合間を縫って昼餉をと思いまして…」
「今日の仕事は確か…」
「らぁめんの食れぽでございます」
104:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:39:11.18 ID:V4s4JV6AO
「申し訳ありません。まさか払っていただけるとは…」
「いやいや、ここは年長者に華を持たせてくれたまえよ」
ラーメン屋から出て、ロケ現場に一緒に向かう。この際だ、予定には無かったがアイドル諸君の仕事を見ておくことも必要だろう。
105:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:40:01.50 ID:V4s4JV6AO
「四条君は本当にラーメンが好きなんだね」
「そうですね、らぁめんとは奥深いものです。これほど食べてもまだ深淵には辿り着けません」
「なるほどね…」
106:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:40:46.53 ID:V4s4JV6AO
「時に四条君。君は…他のプロダクションならばよかったと…思ったことはないかい?」
「はて?他のぷろだくしょん…ですか?」
「あぁ、君は…765プロで良かったかな?」
107:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:41:36.72 ID:V4s4JV6AO
「愚問ですね。私は自分で選んでここに来ました。その選択に後悔などあろうはずがありません」
そんなモヤモヤと悩む私の思考を両断するかのように四条君はそう断言する。
「それは、何故かな?」
108:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:42:15.08 ID:V4s4JV6AO
「高木殿は私が765ぷろに来て、初めて出演したてれび番組を覚えていますか?」
「え?」
質問したのはこちらなのだが、彼女からも質問が返ってきた。
109:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:43:03.61 ID:V4s4JV6AO
「えーっと…たしか…『ゲロゲロキッチン』だったかな?」
あの時は音無君と一緒にリアルタイムで見ていたからよく覚えている。
「…私にはそれで十分なのです」
110:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:43:46.75 ID:V4s4JV6AO
「秘密とはすなわち壁。理解できないということは打ち解けられないということ…それは今までの人生の中で何度も経験してきたことです」
なるほど、彼女の性格は有名になった今でこそ広く受け入れられているが、以前はそうではなかったのかもしれない。
111:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:44:38.23 ID:V4s4JV6AO
「ですから、高木殿のように理解しようとしてくださる人は、私にとって必要不可欠な存在なのです」
「四条君…」
「『類は友を呼ぶ』と言います。社長の貴方がそういう人間で居てくれるからこそ、他の皆も私に対して優しく接してくれる…そんな765ぷろが私は大好きです」
112:名無しNIPPER
2020/09/22(火) 21:45:17.96 ID:V4s4JV6AO
「ははは、ありがとう。少し安心したよ」
「こちらこそ、ありがとうございます」
「そのありがとうは、何に対してのかな?」
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