51:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 23:22:13.48 ID:66ORp3Ez0
勇者「どうして?」
魔法使い「だって、私はあなたたちも巻き込もうとしてたのに。」
魔法使いが不安そうに言った。
勇者「ああ。そうだね、確かに。」
僕は怒るべきなのだろうか。少し考えたが、おそらくそんなことはないと思った。
勇者「・・・仕方ないんじゃないかな。」
魔法使い「何それ。」
予想外の返答だったのか、魔法使いが笑いながら言う。
勇者「あんなことがあったんだから、無関係の人を巻き込んででも自分の感情を爆発させたいと思うのは仕方ないと思うよ。」
彼女の抱えている、自分の命すら惜しくないと思うほどの憎しみを想像すると胸が苦しくなった。
勇者「むしろ、思いとどまってくれて、ありがとう。」
生きて笑ってくれている彼女を見て、心からそう思った。
魔法使い「何それ。」
彼女はそう言うと、今度はうつむいて涙を流し始めた。
僕はどうすることもできず、しばらくの間ただ彼女の手を握り続けた。
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