僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 19:24:07.42 ID:ZPljtdP8O
「おにぎりが食べたい」
「そりゃ俺も食いてぇけど……」
「作って!」

宿舎で出される食事はパンばかりで、魔王領に近い辺境出身の主人の口には合わない。
辺境での主食はもっぱらお米だったのだ。

「お米じゃないと力が出ないの!」
「気持ちはわかるけど、ないもんはないんだから仕方ないだろ? パンで我慢しろよ」
「食べたいのー!」

ここのところ、入学早々に軍門に降る羽目となった師匠の元で毎日毎日コテンパンにされている少女は日夜大層に不機嫌であった。
犬としてもなんとか力になってやりたい一心で、無い知恵を振り絞って考え、提案した。

「よしわかった。俺がこの辺りを探して米を手に入れてくる。それを学校の調理室に持ち込んで炊いて、握り飯を用意してやんよ」
「ほんと?」
「ああ。善処するけどあんま期待すんなよ」
「ふん……誰が犬なんかに期待するもんか」
「じゃ、行ってくる。師匠によろしくな」
「うん! 気をつけてね!」

口ではつれないことを言いつつも、期待にキラキラと目を輝かせる主人を失望させないように、犬は町へと米を探しに出かけた。


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