僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
1- 20
7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 19:21:54.06 ID:ZPljtdP8O
「そんじゃ、おやすみ」

犬が部屋の灯りを消すと、小さな声で。

「犬……一緒に寝て」
「そろそろひとりで寝れるようになれよ」
「……今晩だけだから」

今晩だけだから。
その言葉をこれまで何度聞いただろう。
主人と犬は1人と1匹で一人前だった。
しかし、今日のように二体一で勝負出来る機会など滅多にない。故にひとりでは半人前。
半人前の主人が負けるたびに慰めてきた。

主人が眠るまで傍に居てそれから鍛錬する。

「次は、絶対、負けねえっ!」

今回は自分が隣に居たのに負けた。
その悔しさに、犬は涙を流す。
汗と混じって流れるその涙を、寄宿舎の中庭の物陰から見つめるふたつの視線があった。

ひとつは寝たふりをしていた主人の目。

もうひとつはこの学校に住み込みで給食を作っている豊かな栗毛を持つ魔女の目だった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
43Res/51.50 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice