僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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16:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 19:48:02.21 ID:ZPljtdP8O
「せっかく、作ったのに……」

犬は純粋な少年である。怒りよりも悲しい。

「たいして美味くはないかも知れないけど、それでも俺は……お嬢に食べて欲しかった」

少年は純粋に少女の力になりたかった。
怒らせたかったわけではなく、ただ喜んだ顔が見たかったのに。それは叶わなかった。

「お嬢? どうして泣いてるんだ?」

喜んだ顔どころか、少女はポロポロと涙を流して、少年よりもずっと悲しそうだった。
何がなんだかわからないけれど、これだけはバカ犬でもわかる。泣かせたのは、自分だ。

「泣かせて、ごめん」
「……バカ犬」
「ごめんなさい」

素直に頭を下げて、静かに部屋を出た。
それ以外、どうすることも出来なかった。
少年は少女の涙を見たくなかったし、少年がそこに居る限り少女は泣きやまないだろう。

だから部屋を出て中庭でひたすら刀を振る。

「くそっ! くそっ! くそっ! くそぉっ!」

少年は少女に言われた通り賢くないので、主人が何を思い、何故泣いたのかわからない。
わからないことはいくら考えてもわからないので無心で刀を振った。すぐに夜になった。


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