僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
1- 20
14:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 19:40:46.34 ID:ZPljtdP8O
「んん? 今、あそこの窓に誰か……?」
「さあ、わんちゃん! そろそろご飯が炊き上がったのではないですか? 良い時間です!」
「あ、そうだった! よし、上手く炊けた!」

犬が何分蒸らせば丁度良いのか伝えていないのに、魔法調理師はまるで炊き方を初めから知っていたかのようにジャストタイミングを知らせてきた。明らかに不自然である。

しかし犬は炊きたてのご飯に夢中でそのことには気づかず、鍋を抱えて大喜びだった。

「よーし! 早速これをおにぎりにしてお嬢に食べさせてやらないと! きっと喜ぶぞ!」
「さーて、それはどうでしょうかね?」
「え? 今、何か言った?」
「いえいえ。塩水はこちらにご用意しておきましたので、おにぎりに使ってください」
「ああ! 有り難く使わせて貰うよ!」

もはや完全におにぎりの作り方を知っているとしか思えない用意の良さであったが、やはり犬はおにぎり作りに夢中で気づかない。

「はい! これはあんたの分だ!」
「わあ! 約束、覚えていてくれたんですね! 嬉しいです! 美味しく味わって頂きますね」
「本当にありがとう! それじゃあ!」

作ったおにぎりをひとつ魔法調理師にお礼として手渡してから、犬は料理室を去ろうとして、ふと立ち止まって尋ねた。

「あのさ、また魔法を教えてくれるか?」
「はい! たぶん、すぐにわんちゃんはまたここに来ることになると思いますので、その時にじっくりと教えて差し上げます!」

別れ際、魔法調理師……いや、『魔女』は魔女らしく"予言"を告げて、犬を送り出した。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
43Res/51.50 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice