【安価・コンマ】ファンタジーな異世界に異物が紛れ込むお話
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99: ◆7m3grp2dM2[saga]
2020/09/18(金) 01:06:15.88 ID:uTY52QNRo


ぼさぼさの髪の毛をメイド長にガミガミ怒られながら、お嬢様が階段を降りて食堂へとやってくる。
まあまあとメイド長を窘め、椅子を引いてお嬢様を座らせる。
もそもそとゆっくりと食事を始めるお嬢様の傍に控え、指示を待つ。

ごく普通の日常の風景。

朝食を終え、食後の飲み物を用意しようとしたとき。
慌ただしい足音と共に、何者かが屋敷の戸を開く。

何事かと、少し遠くから聞こえるその足音に意識を集中すれば、その足音は徐々にこの食堂へと近づいている。

やがて、豪快な勢いで食堂の扉が開かれる。

「ん、いたわね。おはよう駄目妹と、その下僕」

美しい金髪を振り乱し不遜な態度でアイリスに話しかけてくる勝気な女性。
づかづかと無遠慮に此方に歩み寄り、食事を終えたばかりのアイリスに向けて新聞を投げ渡す。

「喜びなさい、学校にも碌に顔を出さない穀潰しちゃんに、お仕事を持ってきてあげたわよ」

そう言いながら、ニヤリと口の端を意地悪く持ち上げる。

彼女こそ、この家の本当の主人でありアイリスの姉。
そして、ここ一体の管理を任されている領主『エレノア・イル・アレクシア・ストレーン』であった。

嵐のようにやってきた彼女が持ってきた仕事。
それこそが、これから巻き起こる大事件の序章。
エルグラッドとアイリスはその事件に、いやがおうにも巻き込まれていくことになる。





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