【安価・コンマ】ファンタジーな異世界に異物が紛れ込むお話
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275: ◆7m3grp2dM2[saga]
2020/09/25(金) 21:46:16.31 ID:F4TSm+cro

エレノア「昨晩また死者が出たわ。今度は一度に3人。無辜の民がまたその命を散らしたのよ」
エレノア「この私の領地で。この私の財産が、誰とも知れぬ下郎に踏みにじられたのよ」
エレノア「貴方とアイリスは、その犯人を捕らえる好機と直面していながら、すごすごと逃げ去った。己が身の可愛さに」

エレノア様が椅子から立ち上がり、此方へ一歩歩みよる。
身長はアイリスお嬢様とそれ程変わりはない。自分と比べて胸ほどの大きさほどしかない少女。
自分よりも圧倒的に弱く、触れるだけで壊すことさえできるであろうその少女の言葉に、振る舞いに、強烈なまでのプレッシャーに気圧される。
オレは、思わずその場に膝をついてしまっていた。

エレノア「貴族が何故貴族足り得るか、貴族を貴族たらしめる物は何か。貴方に分かる?」
エルクラッド「……分かりません」
エレノア「力よ。あらゆる脅威悪意をねじ伏せるだけの力」
エレノア「それがあってこそ、莫大な富に浴し、享楽に耽ることを許される」
エレノア「あの子がいくら何も望まなかろうと関係ない。支配者の血筋として産まれ、その富によって生かされてきたのならば、責務を果たさなければならないわ」
エレノア「まあ私は、あの子がポンコツだって知ってるし、何もできなくたってなーんにも思わないけど」

エレノア「でも、民は違うわ」

エレノア「彼らにとって、あの子は貴族なの。脅威を前にして逃げ出したなんて許されない」
エレノア「今回は、偶然にも運よく逃げ出したことが知られていないようだけれど、敵前逃亡したことを新聞社にすっぱ抜かれでもしてみなさい」
エレノア「……あの子、今以上に肩身の狭い思いをすることになるわ」



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