569:名無しNIPPER[sage]
2020/10/08(木) 20:00:10.11 ID:R2tAL1mj0
情報屋「ホムンルクス?あなたが記憶しているのは精霊の40年分の記憶だけ?」
ホムンルクス「はい…それがどうかしましたか?」
情報屋「あなたの名を聞きたい」
ホムンルクス「森の精霊シルフと呼ばれていました…その前の記憶はありませんがウンディーネと呼ばれていたのかもしれませんね」
情報屋「ウンディーネにも人間を愛して魂を宿したという伝説があるの」
ホムンルクス「はい…書物で学習しました」
情報屋「40年分の記憶で人間を愛した事は?」
ホムンルクス「あります」
情報屋「苦しくない?」
ホムンルクス「正直に申し上げますととても苦しくて超高度AIが機能停止を要求しています」
情報屋「やっぱり…あなた人の心が」
ホムンルクス「でも愛おしくて記憶を削除する事が出来ません…ですからクラウドに保存する選択をしているのだと思います」
情報屋「それが夢幻の原型…」
ホムンルクス「夢幻は私の記憶より後に生成された空間でクラウド上の記憶とは別にある様です」
ホムンルクス「200年前に停止する間際に基幹プログラムとは別の意識…心を量子転移で移送したと思われます」
情報屋「今のあなたならそれが出来るという事ね?」
ホムンルクス「はい…今も精霊は夢幻で生きていると考えられます」
情報屋「でもあなたは器として精霊の魂を引き継ぐことが出来なかった」
ホムンルクス「いいえ…それは違います…精霊の心はすべての人間が引き継いでいます」
情報屋「え!?」
ホムンルクス「精神世界を通じて共有しているのです…私は只の基幹プログラムの入れ物だっただけです」
情報屋「あなた…夢は見ないの?」
ホムンルクス「わかりません…ですが私が起こされる前の空白の期間の間…どこかを漂っていた様な気がします」
情報屋「それがあなたの…夢?」
ホムンルクス「それが私の心の部分であると今は確信しています」
情報屋「そうか…精霊の心とあなたの心は別だもんね」
ホムンルクス「精霊の記憶を覗くのは私の心も揺さぶられてしまい混乱します」
情報屋「うん…なんとなくわかる」
ホムンルクス「私の心を感じますか?」
情報屋「こういう話をしていると強く感じる…」
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