70: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/19(土) 15:28:45.47 ID:+7YhSCXJ0
そう、今月と来月の休診日が書いてある紙には、今日が休診日と記載されていた。なのに、私は診察を受けに来た。それがどうにも心に引っかかる。
後でちひろさんに訊いてみよう。
手近にある雑誌をめくりつつ、ちひろさんを待つ。
紙コップと温かいほうじ茶も用意されていた。もちろん、セルフだけど。
そうして紛らせているうちに、ちひろさんが戻ってきた。
「お待たせしちゃいましたね、楓さん」
「いえ、いいんです……ちひろさん、私に教えて欲しいんですけど」
「はい、なんでしょう?」
「今日ここ、お休みですよね? なんで開いてるんです?」
「……気が付いちゃいましたか」
ちひろさんは観念したような表情を見せる。そして、私に言った。
「今日ここにお連れしたのは、楓さん。楓さんが私のようだったからですよ?」
「ちひろさんの、よう?」
「ええ。Pさんを亡くした頃の、私のようだったので」
そしてちひろさんは、種明かしを始める。
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