54: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/18(金) 22:39:37.30 ID:QGubcxXe0
「……ただいま」
誰もいない部屋。
私は独り言が多くなった。
バッグをソファーへと放り、キッチンのガスコンロに火をつける。お酒のつまみに、鍋に入った作り置きの煮物を温めるのだ。
そして冷蔵庫から私は日本酒を取り出した。
「今日は……これかな」
山形の『惣邑』。Pさんが好きで、たまにお相伴に与っていたお酒。
四合瓶からガラスの冷酒器へ移し、お猪口と一緒にリビングのテーブルへと置いた。そして私は、キッチンへ戻って鍋の様子を眺める。
ちりちりと泡立ちはじめる音を聞きながら、揺らぐ碧い炎をぼんやり見つめていた。
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