198: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/25(金) 23:37:23.52 ID:17bnaLyc0
翌日。私は社長室へ向かう。
「社長さん」
Pさんの手紙を手に、私は社長さんに問うた。
「Pさんのこと、知ってらっしゃったんですか?」
手紙を社長さんに押しつけ、私は尋ねる。社長さんはため息を吐き、私をソファーに座らせた。
「……知ってました」
私の心はざわつかない。社長さんの言葉を、待つ。
「彼はとても強かったです。私は彼の強さを見込んで、プロデューサーにスカウトしました」
「……」
「でも彼が亡くなる直前、彼の父親と名乗る人物から、私に連絡がありました。高垣楓のスキャンダルをバラして欲しくなかったら、金をよこせ、と」
私は、その事実に驚く。虫はPさんが亡くなる直前まで、彼からすべてをむしり取ろうとしていた。
私は、思う。虫は本当に、Pさんの父親なのか。血が繋がってるというのに、そんな仕打ちをどうしてできるというのか。
闇は、私の想像を超えて、深かった。
「私は、自称父親に対峙しました。金など、払えない。そもそもスキャンダルなど、ありませんから、と」
社長さんの表情は、お姉さんと同じように深い後悔に包まれていた。
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