高垣楓「あなたがいない」
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106: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 22:53:06.66 ID:brMXuKjJ0

「先生」
「なんでしょう」
「本当に、申し訳ありません」
「いえいえ、高垣さんがきちんと自分に向かい合っているわけですから、私はそのお手伝いだけですよ」

 私は今のルーズな気持ちを、薬を増量することで打破しようと思っていた。ミルナシプランを増量するということは、私の思い描いていたとおりだった。
 私のわがままに、先生を巻き込んでしまっている。そのことがとても申し訳なく思う。
 先生まで、私のもろもろに巻き込んでしまわなくてもよかったのに。
 そうは思いながらも、私は目標のためになんでもすると、自分自身に暗示をかけていた。
 私は、ひどい女だ。




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