41: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2021/09/03(金) 18:03:41.02 ID:YbM8yKa9O
玄関の鍵を開けた瞬間、一気に疲労が全身に押し寄せてきて、倒れ込むように床に座り込んだ。
「はぁ……」
ため息がこぼれる。幸せが逃げてしまう、なんて常套句が一瞬頭に浮かんだが、そもそも逃げる幸せもない。いや、今日久しぶりに小町に会えたのは幸福だったか。
久々の会話の内容が内容だっただけに、全くそう感じられなかったが。
スマホの画面には21:07の文字。明日には仕事だから、起きていられる時間はあと僅かだ。せっかくの休日に俺は何をしていたのだろう?
その答えは無という他にない。小町とはあの会話から程なくして別れて、俺は何も考えずにただ千葉の街を彷徨い歩いていた。気づけば足は棒のようになっていて、帰ろうと思ったのが一時間前の話。
『もう、いい加減にしたら?』
小町の声が頭の中で繰り返される。
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