11: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/08(火) 21:30:10.46 ID:REk/3TwAO
「なら元教師として、元君の先生として、一つアドバイスをしよう」
「えっ?」
突如、懐かしい感覚に全身が包まれた。ここが職員室であるような錯覚が、脳髄を激しく貫く。
「なんすか、いきなり」
「別に、久々に教え子に会ったんだ。しかもその教え子はどうやら迷っていると来ている。ならば先生としてやることなんて決まっているだろう?」
「…………」
迷っている、のだろうか。雪乃とのことはもう終わったことだ。そこに後悔なんて一切残っていない。悔やんだってifの話をいくら考えたって、時間は巻き戻りはしないのだから。
ふぅ、と一息ついてから、平塚先生は口を開いた。
「いい加減、総武高校を卒業しなさい。比企谷」
とても穏やかな笑みを浮かべながら、そう口にした。
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