小宮果穂「クズミさんがゴミを捨て」
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2: ◆eodXldT6W6[saga]
2020/09/06(日) 07:23:01.68 ID:sPru/fk9O

「いつもこんなゴミ溜めの中に埋まっていると、それを求めてしまうし、それが安心になるんだわ。」 ──ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『ゴミ、都市そして死』





久住「暑いなぁ〜」


 影の無い白く光る通りを歩きながら、久住は紙袋を持った手をぶらぶらさせながらまいったように声をあげた。


久住「あかん、ちょっと休も」


 若々しい緑色が目に入り、そちらに目を向けると桜の木に囲まれた公園が地面に影を作り、避暑地のふりをして人を呼び込んでいるのが見えた。

 そこはすべり台、ブランコ、ジャングルジムといった典型的な遊具がある典型的な公園だった。

 久住は空き缶やペットボトルが無分別のまま溢れ出しているゴミ箱を一瞥してから自販機に小銭をいれた。500mlペットボトルのコーラを買うと、久住はベンチを探して公園を見渡しながら歩いた。



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