鹿賀りん「ダイキチが悪いんだよ?」河地大吉「ああ……俺が悪い」
1- 20
8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/02(水) 22:21:04.71 ID:VrI1bENjO
その日の晩。

「ん……? りん、大丈夫か?」
「ううっ……ダイキチ、どこ……? 怖いよ」

りんはまた悪夢にうなされていた。
どうやら夢の中で俺とはぐれたらしい。
俺のせいだ。俺がりんとはぐれたから。

「りん、こっちだ。こっちに来い」
「ん……ダイキチ……どこ?」
「ここだ。すぐ傍に居るよ」

寝ぼけたりんに声をかける。
目は開いていないが、伝わっている。
りんは膝立ちになって、近づいてきた。

「ダイキチ、ここ……?」
「ああ。ここに居る」

りんが俺の上に乗って抱きついてきた。
たしかな重みと、子供の高い体温。
腹を圧迫されて少々息苦しいが、構わない。
これでりんが安心するならば、本望だ。

「りん、安心して寝ろ」
「ダイキチ……もう迷子にならない?」
「ああ。今日のことは本当に悪かった」

素直に謝罪すると、りんが少し微笑んだ。

「本当に反省してる?」

ん? なんだ、この質問は。違和感を覚える。

「あ、ああ。海より深く反省してる」
「私ね、すっごく怖かったんだよ?」
「わ、悪かった。本当にごめんなさい」
「悪い子には、お仕置きしないとね?」
「りん……? お前、起きてるのか……?」

疑念が確信に変わり焦燥感を抱く。マズい。

「ううん。ちゃんと寝てるよ」
「りん、悪かった。もう許してくれ!?」
「お仕置きしたあとに、許してあげる」
「りん、頼むから……この体勢はマズい!」
「お仕置きだから、我慢して」

俺の上に乗ったりんが身震いして、悟った。
ぬいぐるみを返したのはこのためだったのだと。最初からりんは俺に寝小便を引っかけるつもりだったのだと。俺の罪は、重かった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
11Res/14.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice