鹿賀りん「ダイキチが悪いんだよ?」河地大吉「ああ……俺が悪い」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/02(水) 22:08:25.17 ID:VrI1bENjO
「りん……俺から離れる時は声をかけて」
「うん。わかった」

どっと疲労感が押し寄せてくるも、せっかくのお出かけである。ともあれ怒りを鎮める。
そもそもこれから別行動する算段なのだ。

「りん、どこか見たいお店はあるか?」
「んーわかんない」

それはそうだろう。この店は広すぎる。
どこかに子供の興味を引くような専門店がないかと探すも、まるで見当がつかない。

「あっ。ダイキチ、こっち」

そこで不意に、りんが俺の手を引いて歩きだし、ついていくとそこには様々な調理器具と雑貨が並んでいて、興味津々な様子。

「こういうお店、好きなの?」
「うん。見てて飽きない」

目を輝かせて、俺の30年の人生において一度も使ったことのない調理器具や雑貨を品定めするりんはやはり女の子であり、男の自分とは違った感性を持っていることを実感した。

「しばらくこの店で待ってられるか?」
「ダイキチ、どっか行っちゃうの?」

てこでも動きそうにないほど熱心に商品を眺めるりんに少し待つように言うと、不安げな視線を向けられて、慌てて付け加える。

「ちょっと買いたいものがあるから少しだけ離れるけど、30分したら戻ってくるから」
「さんじっぷんて、長い?」
「長くないよ。この雑貨屋をぐるっと見て回ったら、すぐに30分は過ぎるくらい短い」

そう諭すと、りんは頷いて手を離した。

「わかった。待ってるから行っておいで」
「……あい、すんません。行ってきます」

やれやれ。これではりんが俺の保護者だ。


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