4:名無しNIPPER[saga]
2020/08/30(日) 23:10:43.79 ID:oR7gEo4j0
探偵「助手は悪い意味で純粋だからな、痛い目にあってでも貴重な情報を掘り当ててくれ」
一方探偵は踵を返して、この街で一番蔵書数の多い図書館へ向かった。探偵はこれから、霧雨漂う街、ヘブラについて調べるつもりだ。調査の目的は300人程度の行方不明者で主管しに載るほどのニュースになったことの原因である。都会では、周囲に住む人間のことは基本的にブラックボックスである。仮に人口300万の都市から300人いなくなったところで、大きな事件にならないのだ。ヘブラという田舎町で、300人消えた意味とはなにか。
また、ヘブラという街に好奇と不審の目が向くということに意味がある可能性も捨てきれない。
探偵「そしてそのヘブラを治める大慈大悲のルーナ、硬貨に裏表があるように、お前にも裏の顔があるのだろうか」
チラシに映っていた彼女は守護の象徴たる権杖を持ち、跪く羊たちを慈愛と希望で導こうとする牧師である。彼女はアルビノの血統であるため、その髪は白く透き通っており、瞳はは赤い。その奇体な姿故に過去に様々な目に遭ったが、その痛みすら乗り越えたという。
探偵はポケットに入れていた硬貨を爪の甲で弾き、裏表を賭けた。
探偵「裏だ」
結果は、見なくていいい。
探偵は、なにがなんでも裏にするつもりである。週刊誌にネタを提供すれば飯の種になるだろう。この事件を調べることが週刊誌にとって、「なんらかの利益」になると、錆びつきつつあった探偵の勘が告げていた。
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