五更瑠璃「それで、飲むの? 飲まないの?」高坂京介「わかった……頂くよ」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/08/24(月) 21:59:40.89 ID:tDpFUbRvO
「今はこれが……私の精一杯よ」
ちょろっ……と、はしたない水音が響いた。
『フハッ!』
「ひっ!?」
受話器越しに伝わる彼の愉悦に、震えた。
ちょろろろろろろろろろろろろろろろんっ!
『フハハハハハハハハハハハハッ!!!!』
トイレの個室内に響き渡る京介の哄笑と、勢い良く噴出する、私のおしっこのせせらぎ。
それは明らかに異常で異質で、狂っている。
だからこそ、常軌を逸した愛の深みがある。
『ふぅ……ありがとな、瑠璃』
感謝なんてされる謂れはない。お互い様よ。
「こちらこそ……お粗末様でした」
だからそう返すと、彼はクスクスと嗤って。
『すげー逢いたい』
「ばか……また、今度ね」
今はひとまず、ここで通話を切ろう。
焦る必要はない。季節はまた巡ってくる。
彼と再会するその日を愉しみに、私はこの現実世界で人格的に成長して、備えよう。
「だってあなたは未来永劫……いえ、"私"は、未来永劫……あなたの虜なのだから』
私は黒猫。高坂京介に呪いを返された女だ。
【俺の黒猫がこんなに成長するわけがない】
FIN
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