提督「観光するか」 金剛・瑞鶴・響「はいっ!」 空母棲姫「…………」
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27:妖怪艦娘吊るし ◆I5l/cvh.9A[saga]
2020/08/21(金) 02:20:25.34 ID:+7FXqHUo0
提督「そんな事か。まあ……実を言うと深く考えていない」

空母棲姫「どういう意味だ」

提督「お前を建造したのは、本当に気紛れだったんだ。流れ着いたバラバラの資材を見付けて回収したのならば、本来は資材備蓄に記載して本部に報告をしなければならない。だが、それでは面白くなくてな」

空母棲姫「面白くないって……」

提督「少し前にも言ったが、毎日毎日を無駄な哨戒と堕落した生活で送らされているんだ。少しくらい何か別の事をしたくなるものだ。ならばいっその事、新しい子を迎え入れて今までの生活に一石を投じるのも悪くないだろう?」

空母棲姫「……私はその一石という訳か」

提督「そうだな。そして予想外な事にお前が建造された。更に予想を裏切るようにお前は大人しかった。私の知っている空母棲姫とはかけ離れている」

空母棲姫「私を知っているだと……?」

提督「正確にはお前と同じ姿をした別の深海棲艦だ。艦娘と同じく深海棲艦も同じ見た目の別の存在が居るというのは知っていた。あまり気分の良い話ではないだろうが、私達は過去に三回、お前と同じ存在を沈めてきている」

空母棲姫「……………………」

提督「そして、お前と決定的に違う所がある。……あの空母棲姫たちは、極めて恐ろしかったという所だ」

空母棲姫「恐ろしかった……?」

金剛「私も瑞鶴や響と一緒に直接戦った事がありマスが、瑞鶴が言うには制空権争いがとても辛いそうデス。それどころか、数隻の空母を投入してこちらが制空権を確保しても、問答無用で爆撃をして大破させてくる事だってありまシタ」

提督「対空母棲姫用の対策を考える為に撤退すらした。……初戦では辛くも勝利を得たと言えるが、あの空母棲姫に有効打を与えるまではいかなかったくらいだ」

提督「その時の空母棲姫と比べると、お前は本当に空母棲姫……いや、そもそも深海棲艦なのかどうかすら疑わしく思えるくらい大人しい。アイツらは例え艤装が無くともその顎で私達を食い殺さん勢いの殺意と怨念を感じていたからな……」

空母棲姫「褒められているのか恐れられているのか分からないな」

提督「純粋な評価だ。……実を言うと、お前が建造された時は死すら覚悟したぞ?」

空母棲姫「なら、どうしてその時に私を殺さなかった?」

提督「目が違う」

空母棲姫「目?」

提督「ああ。お前には殺意も恨みも何も無い。その時のお前の目は……希望と優しさだった」

空母棲姫「何を言うかと思えば出鱈目を。希望? 優しさ? そんなものが私にあると本気で思っているのか?」

提督「本気で思っている」

空母棲姫「…………っ、その手には乗らん。後で私を沈める腹積もりだろう。油断をさせておいた方が被害が少ない」


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