中野攻「墓碑のような夜のビルの前に花束が」 【亜人SS】
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◆8zklXZsAwY
[saga]
2020/08/16(日) 22:12:40.16 ID:FGITa5EtO
おれは二人の会話を聞きながら、それで結局選挙はどこに投票すればいいだろうと思い、そのことをまた質問しようとしたところで昼休憩の終わりを告げるチャイムが鳴った。結局、その日は仕事が終わるまで政治の話も亜人の話も出てこなかった。次の日もそうで、その次の日もそうだった。ニュースでは選挙の話がやってるのに、職場ではもう話されなくなっていた。世間ってこんなもんかと思いつつ、おれは残業が終わって家に帰ってからスマホで亜人の法律について調べたらしたけれどやっぱりよくわからなかった。それでおれは関心があって法律のこともわかってそうな人に電話した。
『もしもし』
「秋山さん、今いい?」
『中野か。ひさしぶりだな』
電話向こうの秋山さんの声が弾んだ。
「あのとき以来だね。そっちどう?」
『家に戻ってから大変だったよ。行方不明者届出されてたからな、帰った途端大騒ぎだった』
「奥さん怒ったり?」
『マジギレだよ。それに泣かれるし。あのときより大変だった』
秋山さんの苦労話に笑って、ひととおり雑談した後、おれは本題に入った。
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