6: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2020/08/16(日) 14:46:06.42 ID:pO5Rz81k0
〇
「よし。こんなとこかな」
プロデューサーの声を受け、私は彼の隣へと戻る。
気付けば全身から汗が噴き出していた。
もちろん、ふわふわと気ままに向日葵畑を舞う私を追いかけて写真を撮っていた彼も、同様だ。
「水分、ちゃんと摂りなよ」
「アナタこそ、あんまりはしゃいで倒れないで頂戴ね」
「はしゃいでたのは夏葉だろ」
「そうだったかしら」
彼の手からカメラをひったくり、撮った写真の数々を見る。
そこには、心底楽しそうに笑う私がたくさんいた。
「私、こんな顔してたのね」
「いい顔だろ」
「ええ。……なんて言うと、自意識過剰かしら」
「まだまだ謙虚なくらいだ」
にっ、と口角を上げた彼に携帯電話を向ける。
ぱしゃり、と音が響いて画面上には満面の笑みの彼と向日葵畑が切り取られた。
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