高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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◆jsQIWWnULI
2020/11/29(日) 18:50:51.09 ID:RCe5Jm+v0
「……あれ、ここは……?」
アイさんの教えを思い出してるうちに、いつの間にか知らない遠くの場所に来てしまったらしい。見たことのない並木水路が目の前に広がっていた。
しばらくゴンドラを漕いでいると、どこからかとても良い匂いが辺りを漂わせていることに気が付いた。
「なんか、すごく、いい匂い……」
グルルルル
「…………」
あずきちゃんとあやめちゃんに聞かれたら絶対に爆笑されるだろう大きな音が私のお腹から響いた。私はゆっくりとあたりを見回す。誰もいないということを確認するために。順番に首を回し、最後の最後まで目を凝らして…・…
「あ」
ばっちりと目が合った。しかも、人の。
「お嬢ちゃん、おなかすいてんのかい」
私と目が合ったそのおじさんは川辺に出店している屋台のおじさんらしく、先ほどの良い匂いの総本山の主だった。おじさんは受付に肘をつきながらそう私に尋ねてきた。
「……聞こえてたんですか?」
「おう、バッチリ」
「……恥ずかしい……」
「豪快な腹の鳴りようだったなぁ」
おじさんはそう言いながら大きく笑った。そして、私に背を向けて屋台で何か作業をしたかと思うと、「ホイ」と私に何かを手渡そうとしてきた。私はおじさんが渡してきたものを受け取るために、ゴンドラを屋台の前に着ける。そして、おじさんからものを受け取った。
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