高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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72: ◆jsQIWWnULI
2020/09/13(日) 20:17:25.04 ID:AmsHkCZS0
「おはよー、藍子ちゃん!」

「おはようございます、藍子殿」

昨日の約束通り、ARIAカンパニーで待ち合わせをしていた私たちは、時間通りに集まった。

「二人ともおはようございます」

「では、早速行きましょうか!」

「おー!」

私たちは夜光鈴市の会場へと向かった。


「そういえば、どうして夜光鈴は光るんです?」

私は昨日気になっていたことを二人に尋ねた。

「あー、それはねぇ……なんだっけ?」

「あずき殿。この前の試験の範囲だったのにもう忘れたのですか?」

「だって〜」

「オッホン。では私が解説いたしましょう」

あやめちゃんはそう言って右手の人差し指を立てながら話し始めた。

「夜光鈴には夜光石という、火星でしか取れない石が使われます。この夜光石にはルシフェリンというものが含まれていまして、ルシフェラーゼという酵素作用によって酸素と結合することによって分解されます。その時に効率よく光るのが、夜光鈴の光る理由です。ちなみに夜しか光っていないわけではなく、常時光っているのですが、微弱な光しか発しないので夜にしか見えないのです。光の減少と共に夜光石も小さくなっていき、一カ月弱で完全に消えてなくなってしまうのも特徴の一つですね」

「へー。石にそんなものが含まれてるんだね。不思議……」

あやめちゃんのものすごく詳しい説明を受けて、私はまだ見ぬ夜光鈴へ思いをはせた。

「よく細かいところまで覚えてたね、あやめちゃん。含有物の名前なんて、授業じゃプラスアルファ的な内容としてあつかわれてたのに」

「追加点狙いで覚えましたからね」

「実際の点数はどうだったの?」

「追加点なしでしたね」

「あらー……あ、見えたよ!」

あずきちゃんのその言葉で我に返る。今まで何故か聞こえていなかった音が一斉に聞こえてくる。

チリーン リリリーン チリーン リリリーン チリーン リリリーン

「わぁ……」

そよ風が吹くたびに、無数の出店に飾られてある夜光鈴の、ガラスに夜光石がぶつかりながら響かせる音が渡る。その音色はとても澄んでいて涼しげな音だった。

「いつ見ても壮大ですね」

あやめちゃんが言う。サン・マルコ広場には、見たことのないくらいたくさんの屋台が、見えなくなるまで並んでいる。そして、そのすべてに夜光鈴が並べられ、一斉に風に揺られている。

「さっそく可愛いの、見つけよう!」

あずきちゃんは腕まくりをしながら進み始めた。私とあやめちゃんもそれに続く。


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