711: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/12/29(火) 21:33:50.63 ID:Dh94pGk20
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オフィーリアさんはロックモール郊外の彼女の私邸に、私を匿った。そして、人としての生き方や知識を色々と教えてくれた。
彼女は、ユングヴィ教団のロックモール支部を束ねる人だった。一応原理主義派に属しているけれど、心情的には世俗派に近いらしかった。
ロックモールにある病院の院長も兼ねていて、いつもとても忙しそうにしていたけど、とても親切で温厚な人だった。
そして、私が「人」として生きていく道はないか、こっそりと探してくれていた。
それは悲しいかな、ついに見つけられなかったのだけど。
家族のことを一度だけ聞いたことがあるけど、とても寂しそうな顔になったので慌ててやめた。
人には、触れられたくない過去があるのだと、その時知った。
とても、幸せな時間だった。多分、先代たち含めても、一番幸せだったかもしれない。
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