688: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/12/15(火) 19:04:22.05 ID:CRgXx40Z0
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私はエリックを支えながら、なくなった別荘へと向かう。崖を見ると、階段が下まで続いていた。
私は涙を拭う。皆に、追い付かなくちゃ。
「……歩ける?」
「何とか」
海岸伝いにずっと歩けば、通りに出る。逃げる場合は、そこで落ち合う手筈になっていた。
もう、大丈夫だろう。転ばないように、慎重に一歩ずつ階段を下っていった。
その時だ。
ズズンッッッ!!!!
向こうから、地響きのような音が聞こえた。そして、そこから感じられたのは……強大で邪悪な、2つの魔力。
「……何っ?」
「何だ、これはっ」
砂浜の向こうから、誰かが走って来るのが見えた。……デボラさん??
「来るなっ、引き返しなっっ!!!」
「ど、どうしてですかっ??アヴァロンは、もう……」
「それどころじゃないんだよ!!!」
心を落ち着けるように、大きくデボラさんが深呼吸する。顔色は、顔面蒼白だ。
「カルロスが…………怪物になっちまった」
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