660: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/12/10(木) 23:14:28.11 ID:6QjOvduJO
『……そういうことですか。まあ、予定に変更はありませんが』
エリックはというと、激しくエストラーダ候の触手とやりあっていた。触手の攻撃は激しさを増している。……見るからに厳しそうだ。
「エリック!!!」
「来るなっ!!!お前も逃げろッッ!!!」
見たところ、アヴァロンとエストラーダ候は繋がっているけど、動きは独立したもののようだった。
細かい、無数の「枝の触手」はエストラーダ候。そして、幹による攻撃はアヴァロン。つまり、私がここを去れば……1対2でエリックは戦うことになる。そんなのは無茶だ。
「でもっ!!?」
「でももこうもないっ!!巻き添えを食らいたいのか阿呆がっ!!!」
そうか!エリックの「加速」は、10倍速以上だと周囲に被害をもたらしかねない。
彼が本当の全力を出すには、私は邪魔でしかないのだ。
でも、この怪物に果たしてそれが通用するの??
そもそも、アヴァロンの力量を私は……いや、私たちは見誤っていた。隠密魔法で気配を消し、シェイド君を囮に「幻影の霧」を当てる。その狙いは、見事に当たった。
でも、彼はあっさりと幻術から抜け出した。それだけ、彼のマナは膨大なのだ。
さっきから、アヴァロンは力任せの攻撃しかしていない。でも、これで魔法が使えたら……
私は、ふと「グロンド」が転がっていた地面を見た。……ないっ!!?
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