654: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/12/10(木) 23:09:10.27 ID:6QjOvduJO
霧に包まれた瞬間、目の前が虹色に光った。そこにいたのは……神であった。
長く清らかな黒髪に、慈愛に満ちた微笑み。手を広げ、私を温かく抱いて下さろうとしている。……何という至上の幸福!!
ああ、ようやくお会いできた。涙が溢れそうになる。
それと共に、強烈な違和感を覚えた。
……何故私は、神にお会いできたのだ?
一途な祈りが通じたのか?それとも、たゆまぬ修練の成果か?
否、この程度で神は私を「お許しにならない」。
私は、一度だけ手を血に染めている。その罪は、一生かけてようやく贖えるものだ。
だからこそ、私は一念に神にその身を捧げ続けた。神の教えを広めるために、ありとあらゆることをやった。
しかし、まだ足りぬ。
足りぬ足りぬ足りぬ足りぬ……!!!
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