527: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/11/14(土) 20:00:32.21 ID:OmOMbSvFO
にゃあ、と猫の鳴き声がした。……シェイド君?思わず辺りを見渡すと、デボラさんが「ククッ」と笑った。
「大丈夫だよ。あいつじゃない」
「でも……」
「意識が戻ってから少し話したんだよ。……オーバーバックに凹まされたのは、エリックだけじゃないってことさ。
あいつがあたしたちと一緒に来た理由も聞いたよ。意識を失ってる間、『これじゃダメにゃ』と譫言をずっと言ってた」
言われてみれば、おちゃらけたことを今日のシェイド君は言ってない。デボラさんに支えてもらってた時も、前なら胸を触ろうとかしてたはずだ。
「……変わろうと、してるんですかね」
「多分ね」
デボラさんはそう言うと、海をじっと見つめた。
もう、日付は変わろうとしている頃だろう。長い一日が、やっと終わろうとしていた。
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