515: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/11/13(金) 20:48:16.74 ID:IYt6kOGhO
「支配人……オーティスだったなぁ。ヒラで頼むぜぇ」
こくんとオーティスと呼ばれた男が頷く。俺とオーバーバックの前に2枚のカードが配られ、5枚のカードがその間に伏せられた。
カードを見る。……2枚とも「聖剣」だ。考えられる上で最強の組み合わせ。これで負けるはずがない。
オーティスがまず、5枚のうち2枚をめくる。黄色の2と赤の聖剣。既に「3枚組」が完成している。俺は平静を装った。
「先攻は」
「お前からでいいぜぇ」
一応、俺にチップは20枚配られている。一気に大きく張ってもいいが、オーバーバックは警戒するだろう。降ろすのも勝ちではあるが、ここは……
「3枚」
「そこそこ大きく出たなぁ。手が入ってるなぁ?」
「……いきなりチマチマしても仕方ないだろう。乗るか」
「レイズ……ってここでは『上乗せ』だったなぁ」
ここでか。向こうにも手は入っているのかもしれないが、「聖剣」の3枚組にはまず勝てない。4枚組になることだって、十分ある。
向こうの考えは甘い。所詮この程度……
「……10枚だぁ」
「何っっ!!?」
馬鹿なっ!!?まだ2枚しか開示されてない状況で、これは無謀だ。どういうつもりだっ!?
「くくっ……不安が手に取るように分かるぜぇ……さて、3枚目頼むぜぇ」
オーティスが3枚目をめくる。青の王だ。色は場に出ている「赤の聖剣」と同じ。俺にはあまり関係はないが、もう一枚王が出れば「王宮」が手役で完成する。
「どうするぅ?」
「……2枚だ。合わせて、12枚」
「レイズかぁ。いいねぇ、生きがいいぃ……」
オーバーバックがニヤリと笑う。
「フォールド、降りだぁ」
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