魔王と魔法使いと失われた記憶
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481: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/27(火) 20:00:21.99 ID:kXxvSfJ/O
カルロスは小さく頷く。デボラが、少しだけ笑った。

「ってことで、もう少し話を聞こうか。あんたたちが襲われた経緯が分からないと、何ともできないからね」

「襲われたのは、一昨日だ。夜、急に奴らはやってきた。『メディアを引き渡せば何もしない』と……
でも、そんなことできるわけがない!だから俺は裏口から逃げたんだ。彼女と、5人も護衛を連れて」

「でも追い付かれた」

「……意味が分からなかった。闇に紛れて逃げたのに、次々と……護衛が倒れていくんだ。怖くて、ただ馬を走らせた。
ロックモールを出れるかと思った時、目の前に男が立ち塞がってた。月明かりの下だからはっきりとは見えなかったけど、多分黒と緑の斑模様の服に、赤い……細長い何かを持ってた。
護衛たちを殺したのは、こいつだと直感したよ。そしてそいつは……ニヤリと笑ってこう言ったんだ。『女を置いて行けば何もしないぜぇ』と」

「何者だ?」

俺の問いに、震えながらカルロスが首を振った。目が潤み始めている。

「分からない……でも、あんな恐怖を感じたのは初めてだった。そしてメディアは……『ごめんなさい』とだけ残して去ったんだ……ウグッ……!!」

「それだけですか?他にも気付いたことは」

しばらく黙った後、カルロスが口を開いた。



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