魔王と魔法使いと失われた記憶
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469: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/24(土) 22:30:03.72 ID:bALXQCzKO
「どうしたんですか?」

「組のことはしばらくウィテカーとラファエルに任せたよ。……あたしもロックモールに連れていってくれないかい」

「えっ」

戸惑う私をよそに、教授は「いいわ」と微笑んだ。

「人が多い分には安心だし、貴女も時々修練を手伝ってくれたから。狙いはやっぱり」

「ミカエル・アヴァロン。あいつが父さんと母さんの仇かは分からないけど、何か知ってるのは間違いないからね」

「……そうね。ただ、くれぐれも無理はしないで。……貴女は、歳の離れた妹のようなものだから。ジャックも、いいでしょ?」

「ああ。ロックモールには、多少は土地勘があるだろう。そいつらを導いてやってくれ」

「任せときな」

ニヤリとデボラさんが笑う。

「エリックもいいだろ?」

「ああ。向こうの事情は、商売柄知ってるんだろう?」

「まあね。うちは女衒はやっちゃいないけど、用心棒系の依頼は結構あるからね」

「やったにゃ!!!」とシェイド君が声をあげた。

「お姉様も一緒にゃ!!これで勝った……」

「何が勝ったって??」

睨まれたシェイド君が冷や汗を流しながら震える。そういえば、部屋を覗こうとした彼が思い切り蹴飛ばされてたっけ。

「な、何でもないにゃあ……やっぱ怖いにゃあ……」

「デボラ、私の代わりにシェイドを頼んだわよ。舐めたことしたら半殺しで構わないから」

「ひうっ!!?アリス様、容赦や慈悲はないのかにゃ……」

「ないわ」

デボラさんが彼に近付いて、顔を近付ける。

「あたしに手を出そうとしたらマジで殺すから。そのつもりでいな」

「にゃぁ……」

エリックが溜め息をついた。

「まあ、デボラが一緒なら安心だな。ジャック、色々世話になった。また会いたいものだが」

「俺の寿命が尽きてなければ、な。……次会えるのはいつの日やら」

「そうだな。まだ目的地までは遥か遠い。次に会う時は、サンタヴィラの真実を伝えに行く時だな。数か月後か、1年後か」

「まあその時を楽しみに待ってるぜ、アリス共々。それまでは生きなきゃな」

ニヤリとジャックさんが笑った。教授も笑顔で手を振る。

「じゃあね。良い旅を」

「本当に色々、ありがとうございました!!行ってきます!!」

私は馬に乗り、深く頭を下げた。



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