魔王と魔法使いと失われた記憶
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454: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/22(木) 21:54:54.91 ID:D30CV/NDO


「……えっ!!?」


思わず声が漏れた。さっきから色々驚いてばかりだけど、教授が……「三聖女」エレン・シェフィールドの妹??


「ちょ、ちょっと……そもそも、エレン・シェフィールドって……宿屋の娘じゃ」

「冒険者御用達のね。姉さんはその主人の元に嫁いだの。あそこには、私やジャック、そしてケインさんもお世話になったわ」

ジャックさんが、遠い目で煙草を灰皿に押し付けた。

「そうだな。……エレンは『三聖女』になってから、人が変わったようになってしまったが。一切俺たちとの接触を絶ってしまった」

「……最期以外はね。そして、その果てに命を絶った。ヘンリー・スティーブンソンを道連れに」

カラン、とランパードさんがお酒の入った器を落とした。口はあんぐりと開かれている。

「……初耳だぞそれは。彼らは、流行り病で死んだと……」

「表向きはね。『4勇者』の一人が、『三聖女』に殺されたなんてことをアングヴィラが……『勇者』アルベルト・ヴィルエールが公にできるはずがないもの。
その直前、オルランドゥにいた私に遺書が送られて来たの。……『救ってあげられなくて、ごめんなさい』とあったわ。そして、ヘンリー・スティーブンソンを殺すということも。
姉さんが正気に戻ったのか、機を伺ってたのかは分からない。でも、とにかくその後すぐに2人が亡くなったのが報じられた。遺書の内容とは合致するわ」

「……そういうことか」とランパードさんが溢れたお酒を拭き取りながら言った。

「道理で因縁がありそうだったわけだ。そして、姉の死にテイタニアが絡んでいると思っているわけだな」

「ええ。どういう関わりかは分からない。でも、あいつが私たちを……ケインさんを裏切ったのは間違いないわ。
15年前、あいつと対峙したことがあるからそれは分かってる」

「リオネルとパメラを探してる時、だな。まだその頃は……」

ジャックさんに教授が頷いた。

「まだ『シェリル』は名乗ってなかったわね。『六連星』に加入したのは、多分その後」

2人は一度戦っていた……だから彼女が義手ということを知ってたんだ。
でも、逆に色々疑問もわいてくる。どうしてテイタニアは教授を憎んでいるんだろう?そして、どうして……テイタニアは魔王ケインを裏切ったのだろう?


エリックの顔が真っ赤になっている。怒りを懸命にこらえているのが私にも分かった。




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