魔王と魔法使いと失われた記憶
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437: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/19(月) 18:25:43.81 ID:tjvlTkr2O
ロックモール。モリブスとテルモンの国境にある街だ。私は行ったことがないけど、「絶頂都市」という別名がある。
西のベルバザス、東のロックモールと言われる娯楽と色欲の街だけど、私には一生縁がないと思っていた。

「どうしてそんなことを知ってるんですか」

「だって、確認したもの。アヴァロンがあそこにいることは、間違いない。少なくとも昨日時点では」

「……??ちょっと待ってください。早馬でもロックモールからここまでは、3日はかかりますよ?」

エリザベートが言う通りだ。そんなことは、できるわけがない。

しかし、教授の言葉は予想を遥かに上回っていた。

「いえ、その気になればテルモンからここまで1日で来れるわ。シェイドはあれに乗ったから分かるでしょ?」

「……にゃ。テルモンまでの距離は、ざっくり500キメドにゃ。人の脚では頑張っても10日、早馬でも1週間はかかるにゃ。
でもあの……何て言ったかにゃ、『バイク』にゃ?あれなら可能にゃ、恐ろしい速さだったにゃ」

「そういうこと。まあ、移動してるのを見られたら、明らかに不審な何かだけどね。……話がズレたわ」

教授は紅茶を口にする。

「とにかく彼はロックモールにいる。『シェリル』もといテイタニアが敗れたのを知ったら、またこちらに来るかもしれない。
そうでなくても、早めにロックモールに行かないと彼に去られてしまう可能性は高いわ。だから、ここに残れるのは精々数日」

「それは理解したが……奴はロックモールで何を?禁欲を旨とするユングヴィ、それもイーリスの原理主義派からしたら決して相容れない都市のはずだ」

「詳しくは私にも分からない。ただ、魔術師が随分といるようだった。何かやろうとしてるんだと思う」

ジャックさんが頷いた。

「本来は俺が行くのが筋だが、この身体だ。それに、何にせよサンタヴィラに行くならロックモールは通る。お前らを鍛えた上で送り出さねばならんが……」

ちらり、とジャックさんがエリザベートを見た。


「エリザベート。お前らは国に帰らねばならんらしいな」




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