魔王と魔法使いと失われた記憶
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42: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/10(月) 09:39:31.36 ID:fbURo3hcO
「噂の『魔王』って、あなたなの」

少し驚いた表情を見せた後、彼はニィと笑った。

「話が早いな。そうだ、俺が『魔王』だ」

こんなに小さいのに?という言葉を私は飲み込んだ。不意を突いたとはいえ、一瞬で2人を殺したこの子が普通であるはずがない。
ガタガタと身体が震えた。昨日の夜のことを思い出したのと、これから彼が一体何をするのかということへの恐怖からだった。

「な……何で『魔王』が、私を」

「別に殺そうとか思ってるわけじゃない。もちろん身体が目当てでもない。
俺の目的は、お前をサンタヴィラ王国跡地に連れていくこと」

「……サンタヴィラ??」

自らを魔王と名乗る少年は頷いた。

「そうだ。先代の『魔王』ケインが、国民を皆殺しにした、その地だ」

「一体、何のために」

「お前に『思い出させてもらう』ためだ。20年前、あそこで本当は何があったかを」


……ドクン


ちょっと待って。この子……まさか、私の魔法を知っている??そんな馬鹿な!?


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