魔王と魔法使いと失われた記憶
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41: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/10(月) 09:38:39.22 ID:fbURo3hcO
「んっ……」

目が覚めると、見知らぬ天井が見えた。どうやら布団の中らしい。

……


「きゃああっっっ!!?」


私は跳ね起きた。自分が、下着だけの姿だと気付いたからだ。


「騒ぐな、小娘」


高い声が響く。その主は窓際に座り、鋭い視線を私に向けていた。

「心配しなくても手を出しちゃいない。血塗れのまま寝かせるわけにもいくまい」

その通りで、私の身体も髪もきれいな状態のようだった。ということは……

「ま、まさか……私を裸に……??」

「睡眠魔法をかけてる間にな。……繰り返すが、手は出してはいない」

顔から火が吹き出そうになった。そんな……父さん以外の男の人に、生まれて裸を見られたなんて……

「ど、どういうつもりなのっっ!!?」

「だから血塗れのままだとシーツが汚れるだろう?ここは普通のホテルだ、きれいなままにしておくのが礼儀だろう」

浅黒い肌で分かりにくいけど、彼の顔も赤くなっているようだった。

「……本当に、何もしてないのよ、ね」

「……初対面の女、それも意識を失っている女に無理矢理するほど俺は外道じゃない。
にしても暢気なものだ、殺されかけたというのに、自分の裸の心配か」

私はハッとなった。そうだ、黒装束の男たちに刃を突き付けられ、そこに彼が現れた……

「……あ、あなたは何者なの」


「俺か。俺の名は、エリック」


エリック……古にいたという「大魔王」と同じ名だ。


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