361: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/10(土) 17:15:03.95 ID:QhyjSLwuO
ランパードさんが玄関へと向かう。「待って!!」とエリザベートが彼の袖を掴んだ。
「私も行きますっ!」
「ダメだ。姫を危険には遭わせられねえ。何より、あいつの手口は2度戦った俺が、よく知ってる。対処法を知らないとまず終わりだ」
「でもっ!!?」
ランパードさんが唇を噛む。エリザベートを抱き寄せようとしたけど、逆に突き放した。
「言うことを聞けっ!!……あんたまで喪うことは、俺には耐えられねえんだよ」
「ビクタァ……」
「大丈夫、必ず戻る。心配するな」
ジャックさんが眉をしかめた。
「そんな約束ができるのか?そもそも、何のために行く」
「『草』の誰かがシェリルに乗っ取られてるはずだ。まずはそこから手を付ける。
シェリルの厄介な所は、まるで疫病のように自分が支配できる範囲を拡げていくってことだ。だから、誰が『中枢』かを把握する。
ただ、俺だけで倒せる相手でもねえ。中枢が誰か分かった時点でこっちに戻る。緊急回避の手段は、ちゃんと持ってるからそこは安心していいぜ」
「緊急回避……?あっ」
ランパードさんはエリザベートに黒い球を1つ見せた。
「いつの間に!!?」
「そ、『転移の球』だ。無茶はしねえから、安心しな」
くしゃくしゃと頭を撫でられ、エリザベートが涙目になる。
「本当に……ちゃんと帰ってきてくださいね?」
「ああ、約束だ」
ランパードさんが走り去っていく。その間、エリックだけは……終始無言だった。
761Res/689.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20